はじめ涙は
彼女のほおをつたっていました
それから涙は ひとひらの雪になり 鋭いつららとなりました
それから涙は つめたい雨になり はげしい川の流れとなりました
それから涙は しずかな夜の海になり またたく星となりました
季節はめぐり
涙は 夢のように空を舞う花びらになり
やがて あたたかな南風となりました
・・・そして やっと・・・
笑顔の彼女のほおを
優しくなでることができました
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